小学校からの友人K君が明日結婚します。
K君は細身でA型の心配性タイプ。
自分はO型でズボラなタイプ。
趣味も職業も共通点はぜんぜん無いのですが、なぜか付き合いは長く20年になります。
明日は自分も式に呼ばれてます。
人生のメインイベントを目の前にして準備とかで忙しいんだろうなぁと思っているとK君から電話がありました。
K「とても困ったことになってる」
僕「もしかして結婚式前に破談?!」
K「いやいやもっと大変な事。ノルマが達成できない・・・・」
僕「ノルマって、新婚旅行前に仕事なんてどうでもいいんじゃない?」
K「達成しないと帰れない」
K君は銀行員で毎月きついノルマに追われているそうで、今月は積み金300万を取ってくる必要があるそうです。
実は先月、支店移動があって5月からいきなり激戦区のキツイ支店にまわされたそうです。
そこは軍隊みたいな感じで、支店長をトップとした命令絶対・規則はいっぱいな某アクタ共和国みたいなところだっただそうです。
ノルマは絶対らしく、今月は新婚旅行に行くので、移ってきたばかりでいきなり獲得金額0だと旅行も行くに行けないらしいのです。
支店長いわく「遊ぶんだったらその分キッチリ働けよ!」なのだそうです。
おまけに旅行期間の自分の仕事はだれも引き継いでくれず、上手く調整しろと言われたっきり。
ここでは、積み金を解約されるとノルマがマイナスになるので前任だった担当者はなるべく年寄りに積み金をさせて、通帳を見せずに居たらしく、必要なのに解約ができない顧客が多数いたそうです。
そういったトラブルを転勤後に1ヶ月かけてK君が一つ一つ解約させて来たので現在ノルマはマイナス。
支店全体の成績もそのために下がったみたいです。
働けば働くほどマイナスになる仕事。
そんないきさつもあって、みんな結婚するK君には冷たい状態。
ひたすら苦しみを訴えるK君に負けて、お祝いだと思って毎月1万円の積み金をすることにしました・・・
僕「え、積み立ての期間は空欄の方がいいの?」
僕「ところでこれって必要なときに解約できるんだよね?」
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こうして僕とK君との友達関係は続いて行くのでした。